「このまま公務員を続けるべきか、それとも民間に挑戦すべきか」
40代になると、こんなふうに迷う方も少なくありません。
「年齢や家庭との両立」といった現実的な課題や、「民間で通用するのか」という漠然とした不安から、次の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そんな時に頼りになるのが転職エージェント。
公務員の経験や強みを整理し、企業にアピールするノウハウを教えてくれるほか、非公開求人の紹介や面接対策までサポートしてくれる心強い存在です。
本記事では、40代公務員が転職を成功に近づけるためのエージェント活用法をわかりやすく解説します。
この記事を書いた人
- 26年間県庁に勤め、51歳で早期退職した元公務員(建築職)
- 在職中は、総務課・財政課・耐震・住宅政策・公営住宅などの部署を経験
- 現在は、建築関連の民間企業に勤務
40代公務員の転職に転職エージェントが欠かせない理由

40代の公務員が安定した職を離れ、民間へ転職するには不安がつきものです。
しかし、転職エージェントをうまく活用すれば、その不安を軽くし成功の可能性を高められます。
なぜ転職エージェントの力が必要なのか、3つの理由を解説します。
- 年齢の壁を超えるには「非公開求人」と専門の支援が必要
- 40代公務員の経験を「企業が求めるスキル」に変換してくれる
- 忙しい40代でも効率よく転職活動を進められる
年齢の壁を超えるには「非公開求人」と専門の支援が必要
40代の転職では、どうしても年齢が選考の壁になりやすいものです。
その点、転職エージェントは、年齢より「実績やポテンシャル」を重視する「非公開求人」を紹介してくれるのが大きな強みです。
さらに、応募書類の添削や面接対策を通して、「40代ならではの強みをどう伝えるか」を具体的にアドバイスしてくれるので、不安も解消できます。
企業に響くアピールができるので、自信をもって選考に臨めるでしょう。
40代の転職を成功させるためには、プロの後押しが欠かせません。
40代公務員の経験を「企業が求めるスキル」に変換してくれる
40代公務員の管理職としての経験や、様々な関係者と連携して成果を上げた経験は、民間企業でも強みとして評価されます。
とは言え、その経験をわかりやすく伝えるのは意外と難しいものです。
転職エージェントなら、公務員経験を企業の評価基準に合わせて整理し、効果的にアピールできるようサポートしてくれます。
例えば、「予算管理」を「コストマネジメント力」に、「関係者との調整」を「プロジェクト推進力」と言った具合です。
公務員生活が長いほど、企業の評価基準やアピールの仕方に慣れていないことが多いですが、そのギャップを埋めてくれるのが、転職エージェントです。
忙しい40代でも効率よく転職活動を進められる
責任ある立場を任される40代公務員は、日々の業務や家庭との両立で転職活動に割ける時間が限られます。
議会や幹部職員の対応で疲れ切ったなか、膨大な求人を探して企業とやり取りするのは、時間的にも精神的にも大きな負担です。
その点、転職エージェントを利用すれば、条件に合う求人の紹介から面接の日程調整まで任せられるので、効率よく進められます。
求人探しやスケジュール管理に追われることなく、限られた時間を面接対策や準備に充てられるのは、忙しい40代にとって大きなメリットです。
40代公務員に特におすすめの転職エージェント5選

40代の転職では「どのエージェントを選ぶか」で結果が大きく変わります。
ここでは、40代公務員におすすめできる5社を紹介します。
リクルートダイレクトスカウト|忙しい40代に最適なスカウト型
リクルートダイレクトスカウトは、年収800万円以上の求人を多く扱うハイクラス向けのスカウトサービスです。
登録してレジュメを公開しておくだけで、ヘッドハンターから直接スカウトが届く仕組みなので、仕事と家庭で忙しい40代にも使いやすいのが特徴です。
どんなスカウトが届くかをチェックするだけでも、自分の市場価値や可能性を客観的に把握できます。収入アップやキャリアの幅を広げたいと考えるなら、登録しておいて損はないでしょう。
おすすめポイント
- 登録して待つだけでスカウトが届くので、忙しい40代でも効率的に活動できる
- 年収800万円以上の求人が多いため、収入アップやハイクラス転職を狙える
- ヘッドハンターが直接サポートしてくれるので、自分の強みを的確に企業へ届けられる
求人数 | 公開求人数 :非公表 非公開求人数:非公表 |
対応エリア | 全国 |
年代 | 30代~50代の実務経験が豊富な年代に強み ミドル・ハイクラス向け |
サポート内容 | スカウト型サービス(ヘッドハンターからのオファー) ヘッドハンターによるスカウト後の転職活動サポート |
利用料金 | 無料 |
公式サイト | ![]() |
運営会社 | 株式会社インディードリクルートパートナーズ |
ビズリーチ|年収アップ・管理職経験を活かすなら
ビズリーチはハイクラス求人に特化したスカウト型サービスで、年収1,000万円以上の案件も多く揃っています。
登録すれば企業やヘッドハンターから直接スカウトが届く仕組みで、在職中でも無理なく転職活動を進められるのが魅力です。
公務員として培ったマネジメント力や専門性を活かしたい40代には特に相性が良く、年収アップやキャリアアップのチャンスが広がります。
おすすめポイント
- 年収1,000万円以上の求人が豊富で、収入アップやキャリアアップを狙える
- 企業やヘッドハンターから直接スカウトが届くので、自分では気づかないチャンスに出会える
- 管理職や専門スキルを持つ40代と相性抜群で、経験をそのまま武器にできる
求人数 | 公開求人数 :非公表 非公開求人数:非公表 |
対応エリア | 全国 |
年代 | 主に30代~50代のハイクラス層 |
サポート内容 | スカウト型サービス(企業やヘッドハンターからのオファー) 自らの求人検索・応募 |
利用料金 | 基本無料・有料プラン「プレミアムステージ」あり |
公式サイト | ビズリーチ |
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
JACリクルートメント|ハイクラス・管理職求人に特化
JACリクルートメントは、管理職や専門職などハイクラス人材の転職支援に特化したエージェントです。年収600万円以上の案件を中心に、外資系やグローバル企業の求人にも強みがあります。
特徴は、企業と求職者の双方を一人のコンサルタントが担当する「両面型」のサポート。求人票だけではわからない職場の雰囲気や日々の働き方、求められる人物像なども教えてもらえるので、入社後に感じるミスマッチを防ぎやすいのもポイントです。
日本法人設立(1988年)からの支援実績は43万人を超え、多くの転職希望者に選ばれてきました。
公務員として培ったマネジメント経験や調整力を武器に、管理職ポジションや専門性を活かしたキャリアアップを狙う40代に特におすすめです。
おすすめポイント
- オリコン顧客満足度調査(2019~2025年)ハイクラス転職満足度No1※
- 管理職や専門職などハイクラス求人に特化しており、40代の実績を高く評価してくれる
- 一人のコンサルタントが企業と求職者を両方担当するため、現場のリアルな情報がわかる
求人数 | 公開求人数 :非公表 非公開求人数:非公表(約12,000社と取引があり、その75%が非公開求人) |
対応エリア | 全国+海外(世界11か国・34拠点で事業展開) |
年代 | 30代~50代が中心。ミドル・ハイクラス向け |
サポート内容 | コンサルタントによる求人紹介・書類添削・面接対策 |
利用料金 | 無料 |
公式サイト | JACリクルートメント |
運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
リクルートエージェント|豊富な求人数と支援実績で安心
初めての転職活動で何から手をつければ良いか分からない40代の方に、まず登録をおすすめしたいのがリクルートエージェントです。
国内最大級の求人数を誇り、公務員経験を活かせる多様な業界・職種の求人を網羅しています。そのため、自分では思いもよらなかったキャリアの選択肢が見つかる可能性も十分にあります。
長年の転職支援実績から蓄積されたノウハウも豊富で、公務員経験をどう企業にアピールすれば響くのか、職務経歴書の添削や面接対策まで手厚くサポートしてくれます。
転職に不安がある方にとって心強いパートナーとなるでしょう。
おすすめポイント
- 国内最大級の求人数で、幅広い業界・職種から思いがけない選択肢に出会える
- 職務経歴書の添削・面接対策が丁寧で、公務員経験を企業に響く形でアピールできる
- 転職支援実績No.1※の安心感があり、初めての転職活動でも頼れる
※厚生労働省「人材サービス総合サイト」における有料職業紹介事業者のうち無期雇用および4ヶ月以上の有期雇用の合計人数(2023年度実績を自社集計)2024年5月時点
求人数 | 公開求人数 :61.5万件 非公開求人数:43.9万件 (2025年9月時点) |
対応エリア | 全国 |
年代 | 全年代 |
サポート内容 | 自らの求人検索・応募 アドバイザーによる求人紹介・書類添削・面接対策 |
利用料金 | 無料 |
公式サイト | ![]() |
運営会社 | 株式会社インディードリクルートパートナーズ |
doda|幅広い選択肢とスカウト機能の強み
dodaは、20万件を超える求人を持つ総合型転職エージェントで、大手からベンチャーまで幅広い業界に対応しています。
自分で探すことはもちろん、エージェントからの提案やスカウト機能もあり、在職中でも効率よく情報を得られます。
さらに、公務員の転職に詳しいアドバイザーがサポートしてくれるので、「キャリアの方向性が決まらない」「経験をどう活かせばいいかわからない」と悩む40代にとって心強い存在です。
おすすめポイント
- 「求人情報を自分で探す」「提案を受ける」「スカウトを受ける」の3つを同時に使える便利さ
- 業界トップクラスの求人数で、大手からベンチャーまで幅広い選択肢がある
- アドバイザーが公務員の転職に理解があるため、キャリアの方向性を一緒に整理できる
求人数 | 公開求人数 :25.3万件 非公開求人数:非公表 (2025年9月時点) |
対応エリア | 全国 |
年代 | 全年代 |
サポート内容 | 自らの求人検索・応募 アドバイザーによる求人紹介・書類添削・面接対策 スカウトサービス(企業からのオファー) |
利用料金 | 無料 |
公式サイト | doda |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
40代公務員が転職エージェントを最大限活用するコツ

40代の転職は「仕事と並行して進める難しさ」と「年齢のハードル」が重なり、転職エージェントの使い方次第で結果は大きく変わります。
以下のコツを押さえておけば、効率的かつ納得のいく転職活動につながります。
複数のエージェントに登録して選択肢を広げる
1社だけだと紹介される求人に偏りが出やすいため、2〜3社に登録して比較するのがおすすめです。
複数登録しておくことで、それぞれの強みを活かしながら、自分に合った求人や担当アドバイザーに出会えるチャンスが高まります。
それぞれの転職エージェントで、以下のように強みが違います。
- リクルートエージェント:業界最大級の求人数、幅広い業界・職種に対応
- ビズリーチ:ハイクラス・高年収求人が多く、年収アップを目指す人向け
- doda:スカウト機能が充実しており、多様な企業からのオファー
- リクルートダイレクトスカウト:年収800万円以上の求人が多いハイクラス転職サービス
- JACリクルートメント:ミドル・ハイクラスに特化した転職エージェント
私のまわりでは、3社ほどの転職エージェントに登録していた人が多い印象です。
実際に転職するかは別として、自分の市場価値を知りたいから登録している人もいました。
公務員経験を転職エージェントへ具体的に伝える
転職エージェントとの面談では、これまでの経験を具体的に伝えることが大切です。
「議会対応」や「予算調整」といった業務名だけでは、アドバイザーに本当の強みが伝わりにくいものです。
例えば、議会対応なら、
会派説明会用の資料を何度も手直ししながら作り、問い合わせのあった議員へ丁寧に説明に回り、本会議の質問に備えて議員の思いをくみ取りながら、答弁調整。その間、課長レクや部長レクをこなさないといけないので、息つく間もない対応が続きます。
といったことをより具体的に話すイメージです。
40代になると管理職やリーダーとしての実績を積んでいる人も多いので、その経験を数字や成果と一緒に示すことで、市場価値を正しく評価してもらいやすくなります。
担当アドバイザーとの相性を見極める
40代公務員の転職は、家庭との両立や責任あるポジションでの経験など、他の年代とは異なる背景があります。
その状況を理解したうえで提案してくれるアドバイザーに出会えるかどうかが、転職活動の結果を大きく左右します。
エージェントとの面談では早い段階で、次の点を意識して確認してみましょう。
- 公務員の世界を理解しているか
- 40代公務員ならでの強みをきちんと把握しているか
- 生活面も考慮した現実的な提案をしてくれるか
こうした視点で信頼できるアドバイザーを見極められれば、不安の多い40代の転職もぐっと前向きに進めやすくなります。
もし「合わない」と感じたら、変更することもできます。遠慮せずに相談し自分にあったアドバイザーを探しましょう。
年収だけでなく「働き方」「将来性」で判断する
40代が求人を選ぶ際は、年収だけではなく「働き方」や「企業の将来性」にも目を向けることが大切です。
40代公務員の転職は人生の大きな決断であり、特に家庭を支える40代にとっては、生活や将来設計にギャップが生まれないように気をつけておきたいところです。
転職エージェントの面談では、「共済や退職金制度に代わる制度があるか」「どのような成果を出せば評価され、キャリアアップにつながるか」といった点も具体的に確認しておきましょう。
年収だけにとらわれず、いろいろな面を見て判断すれば、40代公務員の転職は成功に近づきます。
40代公務員が転職エージェントを使うときの注意点

転職エージェントは心強い味方ですが、注意して使わないとミスマッチや後悔につながる可能性もあります。
特に40代公務員の転職では、長年の公務員経験や家庭との両立といった背景があるので、他の年代と違った視点も大切です。
以下の注意点を意識すれば、納得のいく判断ができるようになります。
担当アドバイザーが公務員に理解のない場合がある
アドバイザーの中には、公務員の業務内容やキャリアの特徴を十分に理解していない人もいます。
そうした担当者に当たってしまうと、貴重な公務員経験が「一般的な事務経験」と見なされ、本来の価値よりも低く評価されてしまうことになりかねません。
特に、議会対応や予算管理といった業務は民間ではイメージしにくいため、公務員の業務を知っているアドバイザーでなければ、企業にうまくアピールできません。
納得のいく転職を進めるためには、早い段階で信頼できるアドバイザーかを見極めることが大切です。
応募を急かされても焦らずに判断する
転職エージェントから応募や内定の承諾を急かされても、焦って決断しないことが大切です。
40代の転職は、その後のキャリアだけではなく家族の生活にも関わるため、勢いで判断すると入社後に価値観のズレや働き方のミスマッチに苦しむ可能性があるからです。
魅力的な求人であっても、「一度持ち帰って検討します」と伝え、冷静に考える時間を作りましょう。
アドバイザーのペースに流されず、自分と家族にとって最善の選択ができるよう、自分のペースで判断することが大切です。
年齢を理由に妥協しすぎない
40代という年齢を意識するあまり、「この条件で仕方がない」と安易に妥協しないことが大切です。
というのも、公務員として培った経験は、民間企業にとっても十分に価値のある強みです。「もう40代だから」と気後れし、自分を安売りしてしまうのは非常にもったいないことです。
例えば、「数億円規模の事業を動かした経験」や「部下を育成し、チームとして成果を出した実績」などは、年齢を重ねたからこそアピールできる強みです。
こうした具体的な実績をしっかりと伝えれば、年齢は弱みではなく、むしろ信頼性の高い「武器」に変わります。
自分の市場価値を信じ、これまでの経験をしっかり評価してくれる企業を探していきましょう。
まとめ
本記事では、40代の公務員が転職エージェントを最大限に活用し、後悔のない転職を実現するためのポイントを解説しました。
40代の転職では「年齢の壁」や「経験をどうアピールするか」といった不安を感じやすいものです。
転職エージェントを活用すれば非公開求人の紹介や、公務員経験をアピールするノウハウの提供など、多くのサポートを得られので安心して転職活動を進められます。
成功のポイントは、以下の4つです。
- 複数のエージェントに登録して視野を広げる
- 担当者にこれまでの経験を具体的に伝える
- 自分にあう、信頼できる担当者を見極める
- 年収だけでなく長期的な視点で判断する
「今のままでいいのか」と悩んでいるなら、まずは転職エージェントに無料で相談し、自分の市場価値やキャリアの可能性を知ることから始めてみませんか。
最初の一歩が、あなたの未来を大きく変えるきっかけになるはずです。