公務員からの転職を考えている人の中には、「転職するなら、やっぱりハイクラス転職がいいなあ」と漠然と思っている人も多いのではないでしょうか。
一方で、「自分の経験は通用するのかな」「年齢的に遅すぎないかな」と不安もつきものです。
そんなとき頼りになるのが、ハイクラス向けスカウト型転職サービスのビズリーチ。
本記事では、ビズリーチの仕組みや特徴、年代別のポイントなどをわかりやすく解説します。
この記事を書いた人
- 26年間県庁に勤め、51歳で早期退職した元公務員(建築職)
- 在職中は、総務課・財政課・耐震・住宅政策・公営住宅などの部署を経験
- 現在は、建築関連の民間企業に勤務
ビズリーチの仕組みと特徴

ビズリーチは、利用者が職務経歴書を登録し、それを見た企業やヘッドハンターから直接スカウトが届く仕組みの転職サービスです。
一般的な求人サイトのように応募を主体とするのではなく、スカウトを待つ形で転職活動が進むため、効率よく転職先を見つけたい公務員におすすめです。
求人は年収600万円以上の案件が多くあり、管理職や専門職などハイクラス人材向けの求人が目立ちます。
また、ビズリーチには、独自の審査を通過したヘッドハンターがいます。
利用者はヘッドハンターのランクや口コミなどを確認できるため、信頼のおけるヘッドハンターが一目でわかるようになっています。
一方で、書類添削や面接対策といった転職サポートは基本的に提供されていません。
そのため、利用する際は「スカウト型の転職サービス」であることを理解したうえで、自分で対策を進める姿勢が求められます。
有料プランと無料プランの違い

ビズリーチには「スタンダードステージ(無料)」と「プレミアムステージ(有料)」の2種類があり、利用できるサービスが異なります。
無料でも基本的なスカウトを受けられますが、有料にすることで転職活動の自由度が大きく広がります。
スタンダードステージ(無料)の特徴
スタンダードステージは、登録するだけで利用できる無料のプランです。
基本的なサービスは以下のとおりですが、利用できる範囲が限られています。
- 求人を検索して閲覧(企業名はわからない)
- 一部の求人への応募
- 企業やヘッドハンターから届くスカウトに返信
そのため、「気になる案件を積極的に探して応募する」というよりも、「届いたスカウトに返信する」という使い方が中心になります。
まずは無料登録して、自分の経歴にどのようなスカウトが届くのかを確かめたい人に向いているプランです。
プレミアムステージ(有料)の特徴
プレミアムステージは、月額料金(5,500円/月)を支払って利用する有料プランです。
スタンダードステージよりも利用できるサービスが広がり、主体的に転職活動を進められます。
利用できるサービスは以下のとおりです。
- 求人を検索して閲覧(企業名がわかる)
- すべての求人への応募
- 企業やヘッドハンターから届くスカウトに返信
- 気になるヘッドハンターに自ら相談
「スカウトを待つだけ」ではなく、積極的に自分の希望を伝えたり提案を受けたりできるので、主体的に転職活動を進められます。
料金はかかりますが、短期間で効率よく転職先を見つけたい人におすすめです。
ビズリーチを使うほうがいい公務員とは

ビズリーチは管理職や専門職を中心としたハイクラス向けの転職サービスです。
そのため、公務員なら誰にでも合うわけではなく、これまでの業務や実績によって向き不向きがあります。
特に、ルーチン業務をメインに担当している場合は、民間で評価される実績を示しにくいため、スカウトが届きにくい可能性があるでしょう。
公務員といっても、業務内容はさまざまです。
ここでは、私の公務員経験の中で感じた、ビズリーチを使うほうが良い公務員のタイプを紹介します。
- 企画系・DX関連の経験がある公務員
- 建築・土木の知識がある公務員
- 人事部の経験がある公務員
- 財政課経験のある公務員
企画系・DX関連の経験がある公務員
政策立案や庁内横断プロジェクトなど企画系の仕事に携わった経験は、民間の事業企画やプロジェクトマネジメントの職種に近いため評価されやすい傾向です。
たとえば、新規制度の立ち上げや複数部局を巻き込んだ施策の推進など、調整力と実行力は民間でも求められるスキルです。
さらに、DX推進や情報システムの導入・改善に携わった経験も、今の民間企業が強化している分野と一致しており、スカウトが届きやすい分野と言えるでしょう。
建築・土木の知識がある公務員
建築や土木の分野で経験を積んできた公務員も、民間に活躍の場を広げやすいと言えるでしょう。
発注者側として設計や施工管理に関与した経験は、ゼネコンや設計事務所、土木コンサルタントなどの求人に活かせます。
特に、工期やコスト・品質・リスク管理といった経験は、民間企業が即戦力として評価しやすい要素です。
人事部の経験がある公務員
採用や評価制度の構築、研修企画、労務対応など人事関連の業務を経験してきた公務員も、民間から歓迎されやすい傾向があります。
特に、制度改定や人事システムの導入など、組織全体に影響を与えるような経験は、企業の人事企画や人事制度担当といった職種に直結します。
人事部の経験がある公務員というのは、そもそも能力が高く信頼のおける人が多いので、民間でも通用する人材と言えるでしょう。
財政課経験のある公務員
公務員の世界では「エリート」と言われる財政課の場合、少し注意が必要です。
そもそも会計の枠組みが民間と異なるため、経験をそのまま評価されにくいことがあります。
予算査定で「無駄な経費を削りました」というだけでは、民間には通用しません。
コストの最適化や資金の有効活用に関わった事例を具体的に示すことで、経営管理や管理会計などの分野に応用できる経歴として評価されやすくなるでしょう。
このように、公務員の中でも企画・人事・DX・建設系など、民間の管理職や専門職と親和性が高い分野に携わってきた人は、ビズリーチを活用するメリットが大きいといえます。
経験をどのように言い換えて職務経歴書にまとめるかが成功の鍵であり、スカウトを受けられるかどうかを大きく左右します。
年代別ビズリーチ活用のポイント

公務員がビズリーチを利用する際は、年齢によって重視されるポイントや転職の難易度が異なります。
30代、40代、50代それぞれの年代で意識すべきポイントを紹介します。
30代公務員|スキル転用とキャリア形成のチャンス
30代は、公務員として一定の経験を積みながらも、新しい挑戦がしやすい年代です。
この年代の強みは、住民対応や庁内調整、市町村や国との協議など多くの場面で現場の第一線で対応してきたことです。
政策の大きな方向性を踏まえつつ、必要な資料を作成し、関係者と議論を重ね、上層部への報連相を徹底する。
こうした過程で培った折衝力や調整力、責任感に加え、法令を遵守しながら業務を遂行するコンプライアンス意識は、民間でも高く評価されます。
さらに、30代は柔軟性があり、「今後の伸びしろ」にも期待される世代です。
企業から「幹部候補」として期待されることも少なくなく、キャリア形成の選択肢は広いと言えるでしょう。
ビズリーチに登録すると、企業やヘッドハンターから直接スカウトが届くため、自分の経験がどの業界で評価されるのかを客観的に把握できます。
これは転職を考える上での出発点となり、30代ならではの可能性を見極める手がかりになります。
40代公務員|マネジメント経験と市場価値がポイント
40代で転職を考える公務員にとって、最大の強みはマネジメント経験です。
これまでに部下の育成やチームの運営、庁内の大規模プロジェクトを責任のある立場で統括してきた経験は、民間企業でも管理職ポジションで高く評価されます。
取り組んだ業務の規模や担当した役割、達成した成果を数字で整理し、職務経歴書に落とし込めるようにしましょう。
また、40代の転職では「自分の市場価値を把握しておくこと」が大切です。
公務員の場合、一定の年齢になれば課長補佐や課長といった役職に就くケースが多いので、大きな失敗を避けてやり過ごそうと考える人も少なくありません。そのため、市場価値を意識する機会はほとんどなかったのではないでしょうか。
市場価値を知るには、ビズリーチに登録し、企業やヘッドハンターから届くスカウトを確認しましょう。
どんなポジションや業種から声がかかるのかを知るだけでも、自分の市場価値を客観的に測ることができます。
思ってもみなかった業界や役職からスカウトが届くこともあり、キャリアの選択肢を広げるきっかけにもなります。
転職をすぐに考えていなくても、40代の公務員にとって市場価値を知る手段としてビズリーチを活用することは、大きな意味があります。
50代公務員|現実的な戦略
50代公務員からの転職は、求人数が少なくなることや即戦力が求められることから、難易度が高いのは事実です。
しかし、以下の「現実的な戦略」を持てば、これまでのキャリアを活かせる道を見つけることは十分に可能です。
- 市場価値の把握
- 柔軟な働き方
市場価値を把握する
大切なのは他の世代以上に、自分の市場価値を客観的に把握することです。
どの分野でどの程度の需要があるのかを知ることで、無理のない応募先や働き方を選べます。
ビズリーチを利用すれば、企業やヘッドハンターから届くスカウトを通じて、自分がどのポジションで評価されるのか確認できるでしょう。
これまでの30年近い実績を考えると、どうしても自己評価が高くなりがちですが、現実的な市場価値から目を背けてはいけません。
柔軟な働き方を取り入れる
次に、働き方の幅を広げることが必要です。正社員としての転職にこだわらず、契約社員、顧問、アドバイザーといった形でキャリアをつなげていくことも、50代における現実的な選択肢と言えるでしょう。特に、マネジメント経験や専門的な知見は、企業が外部の知恵として活用したい領域です。
50代公務員が転職を成功させるには、現実的な戦略をもとにビズリーチを活用しながら、自分に合ったキャリアの形を模索していきましょう。
ビズリーチをうまく使うコツ

ビズリーチは登録するだけでもスカウトが届きますが、ただ待っているだけでは十分に活用できません。
ビズリーチをうまく使うために、意識したいポイントを紹介します。
- 職務経歴書を充実させる
- プレミアムステージ(有料)を有効に活用する
- 興味があればヘッドハンターに相談する
職務経歴書を充実させる
登録時に作成する職務経歴書を充実させましょう。
企業やヘッドハンターはこの情報をもとにスカウトを送るため、記載内容が薄いとチャンスを逃してしまいます。
担当した業務や役割を具体的に書き、成果はできるだけ数字で示しましょう。
「業務効率を20%改善した」「許可申請の処理期間を5日短縮させた」「遊休地の有効活用により年間〇万円の財源を確保した」といった具体的な実績があると、企業やヘッドハンターの目にとまりやすくなります。
プレミアムステージを有効に活用する
無料のスタンダードステージでもスカウトは受け取れますが、積極的に転職活動を進めたい場合は、有料のプレミアムステージが効果的です。プレミアムステージでは、すべての求人に応募できるほか、ヘッドハンターへ連絡できるようにもなります。
費用はかかりますが、転職を前向きに進めたい人にとっては、チャンスが広がります。
ヘッドハンターに相談してみる
ビズリーチには、各業界に強みを持ったヘッドハンターが多数いますので、興味のある求人を見つけた場合、相談してみるのも有効です。
自分では気づいていなかったキャリアの選択肢や、応募に向けたアドバイスをもらえることがあるかもしれません。
特に、ハイクラスの転職では情報の差が結果を左右しやすいため、ヘッドハンターのアドバイスを受けられれば強力な武器になります。
まとめ
ビズリーチは、公務員でも利用できるハイクラス転職サービスで、企業やヘッドハンターから直接スカウトが届くのが最大の特徴です。
管理職経験や専門分野の実績を持つ人にとっては特にチャンスが広がりやすく、市場価値を客観的に把握できる点も大きなメリットです。
まずは無料登録でどんなスカウトが届くのか確認し、希望に応じて有料プランも活用してみましょう。
キャリアの新しい可能性を広げたい方は、今すぐビズリーチに登録して最初の一歩を踏み出してください。